帝国データバンクはこのほど、東日本大震災関連倒産の動向調査を行った。震災発生から9年間の関連倒産(負債1千万円以上の法的整理)の累計は2021件で、業種細分類別では「ホテル・旅館経営」が125件と突出している。
「宿泊施設・設備の損壊のほか、風評被害などによる観光客減少に伴う客室稼働率の低下などが大きく影響し、抜本的な収益改善が見込めず倒産に至ったケースが多く見られた」(同社)。
業種別の2位以下は「道路貨物運送」(51件)、「木造建築工事」(50件)、「生鮮魚介卸」(36件)、「土木工事」(34件)、「水産食品製造」(32件)、「印刷業」(30件)、「受託開発ソフトウェア」(30件)が続く。このほか「旅行業」が16件で19位となっている。
地域別では関東が973件と最多。構成比48.1%と、約半数を占めている。2位は被災地の東北で419件、構成比20.7%。
年ごとの倒産件数は、1年目(2011年3月~12年2月)が513件と最も多く、8年目まで毎年減少していたが、9年目(19年3月~20年2月)は50件と前年を9件上回り、初めて増加した。「震災後に金融機関などの支援を受けてしのいできたが、抜本的な再生に至らず倒産した企業も目立った」(同社)。